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そろばんずる休み事件

日記の日付: 2004年10月14日木曜日
日記タイトル: そろばんずる休み事件コメント| トラックバック

昨夜は、長男がそろばんを約1週間ずる休みしていたことが、そろばんの先生からの連絡で発覚し、お母さんが激怒して本当に大変でした。

長男は、小学校に入学してちょっとしてからそろばんの教室に通い始めました。先生によると飲み込みの早い方で、正式な珠算検定では6級に合格し、そろばん教室では4級を習っているとのこと。この間も区のそろばん大会に推薦出場しました(結構たくさんの子が推薦されたようですが…)。

お父さんが帰宅した頃には、お母さんがかなり怒ったあとだったようなので、あまり怒らずにどうしてずる休みしたのか一緒に入ったお風呂で聞いてみると、「だんだん難しくなってきて、おもしろくなくなってきた」と。そろばんの先生によると4級は、小学2年生には簡単ではないものの、このまま通えばきちんとできるようになるとのことだったので、「今まで簡単にどんどん上達できていたのに、ちょっと難しくなってきて面白くないんだろうけど、この壁を乗り越えるとまたきっと面白くなるよ」と説得。バイオリンも前はそうだったろうとか、他のいろんなことも同じように何回か簡単には上達できないものだとか、ごちゃごちゃといろいろ説明してまた一生懸命通うように説得しました。さらによく聞くと、バイオリンの練習もやっていないのにやったと嘘をついたことが何回かあること。「どんな気持ちだった?」と聞くと、心臓を指さして「この辺がちくちく痛かった。次に(きちんと)練習したときに、その分余分に練習すると痛くなくなった」、と。確かに、家に帰るたびに「バイオリンの練習した?」と訊いていたので、プレッシャーに感じていたのでしょう。こちらもプレッシャーを感じていたのでしょう。

ただ、嘘をつくのはよくないことだけは、きちんと説明しました。嘘をつくとその嘘をごまかすためにさらに嘘をつかなければならないこと、「ピーターと狼」のお話のように嘘をつく人だといったん思われてしまうと、本当のことを言っても信じてもらえなくなること、は説明しました。

自分を振り返ってみたとき、今でも鮮明に覚えているいやな記憶がひとつあります。何歳頃だったか覚えていませんが、テレビで放映されていた黄金バットが大好きだった頃のことです。僕は、黄金バットのお面を持っていたのですが、ある時もっとテレビの黄金バットに似ているお面があることを知り、それが欲しくてたまらなくなり買って欲しいとねだりました。つくりは違っても同じ黄金バットのお面を持っているのですから、親も買ってくれるわけはありません。「もう持っているでしょ」の一言で片づけられてしまいました。より精巧な黄金バットのお面に心を奪われていた僕は、すでに持っている気に入らなくなったお面があるからいけないのだと考え、道で踏みつぶして壊したのです。このときの、踏みつぶす瞬間の罪悪感は今でも鮮明に覚えています。結局、新しいお面を買ってもらったのか、よく覚えていませんが、新しいお面を買ってもらうために踏みつぶしたものの今でも覚えているほどの罪悪感を持ったのですから、買ってもらったとしても全く楽しめなかったでしょう。こどもですから、これ以外にも何度か嘘をついてごまかしたり、ずるをしたりしました。いつも、息子が言うような心の痛みを感じていたのは覚えています。

いやなことから逃げたいがためについた小さな嘘が、心の痛みを感じずにあたりまえのようにつけるようにならないことを祈っています。

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